2009年5月13日水曜日

アメリカと言う国の設計図

新潮45の5月号に内田樹さん(神戸女学院大学教授)の「言葉なき政治の貧困 日本の政界に漂う奇怪な症候群。その耐えられない軽さをもたらしているものとは?」と言うタイトルのエッセイが掲載されていた。

この人のエッセイやブログは以前にも参照したことがあって、とても面白いし人気のようだが、それはそれで論争を呼ぶようです。本人は自分が書いたことに対するコメントや批判についてはわれ関せ図を決め込んでいるようだが、誤解や中傷を招きかねないのではと他人ごとながら心配したりしている。

と言うものの、私はこの人のエッセイ、ブログの類は好きだ。切り口や視点がユニークであるにも拘らず、分かりやすくシャープだ。必ずしも一貫した主張をしているように見えないが、この人の批判精神は深い洞察のたまものであると思う。

今回の内田氏の論点はいくつかある。
1.米国のオバマ大統領は100年に一度の金融不況の中で、米国のそもそもの成り立ち、その設計図に立ち返ることを前面に押し出して選挙戦及び損後の政策に反映させてその求心力を保ってきている。


アメリカ大使館による独立宣言の日本語訳
http://aboutusa.japan.usembassy.gov/j/jusaj-majordocs-independence.html

アメリカの設計図と決意が独立宣言なら、日本人のプリンシプルとして新渡戸稲造が再生しようとして著作した武士道が日本人としての在り様か。
サムライたる者、名誉に重きを置き、それを以て己の価値とすべし。
自らが下した決断と、それらがいかに成し遂げられたかが、己の真の姿を占める。
己自身から決して逃げ隠れすることは出来ない。
(新渡戸稲造「武士道」より)

ということか。

2009年5月4日月曜日

Re: 国や組織はどういう時に良くなるか

海外で勉強して働こうで渡辺千賀さんがカミングアウトした本音を追加のブログでフォローしていた。

1)日本はもう立ち直れないと思う。
だから、
2)海外で勉強してそのまま海外で働く道を真剣に考えてみて欲しい。

とても論議を呼びそうな議論だけど、とても複雑で本当はいろんな要素をはらんだ議論なので、紋切り型の議論は出来ない。
日本の国家として、あるいは国民経済としての問題と、日本人と言う国民と言うか民族と言うかそういう集団としての問題と、世界市民として日本に生まれた日本人一人ひとりの生き方としての問題と区別しないと実のある議論にはならないように思う。
世界市民として日本に生まれた日本人にとっては国民経済としての日本の行く末は、気にはなりこそすれ、個人の問題としてはかなり低い優先順位なんだと思う。そう言う人たちを対象と考えた場合、日本じゃないところで学んで仕事を得て暮らしていくのはなかなか賢い選択肢しなんだと思う。
ただ、世界市民としての自覚がない大方の日本生まれの日本人にとって、日本以外で学び生活の糧を得るのは、なかなか難しい選択だろう。
日本以外の多くの国では、そう言う選択肢を突きつけられるのは当たり前なのに、日本では珍しい。海に囲まれた平和な島国故なのだと思う。
また渡邊千賀さんの思い切った発言を期待したいと思う。

2009年5月1日金曜日

ガンバラナイケドいいでしょう

がんばれ、みんながんばれ、月は流れて東へ西へ

1970年代、井上陽水はそう叫んで、誰もが急ぎ足で駆け抜けようとしていた時代を歌っていた
誰も遠い未来のことは分からずに、確かな期待感と時代の風に追われて、考える前に踏み出すことだけを焦っていた
誰も何も持っていないのが当たり前で、持っていることにあこがれていた、あの頃。

さがしものは何ですか?いったい何が欲しいのか、大切なものなのか、迷いながら。
たぶん、いろんな目に見えないものを失いながら。
豊かな生活?自由な暮らし?アメリカやヨーロッパの映画に出てくるような生活?ブランド物に囲まれる暮らし。

そして今、吉田拓郎が、ガンバラナイケドいいでしょう、と呟くように歌う。私なりってことでいいでしょう?

余裕の時代?持てる時代?がんばらなくてもいい時代?
何のために頑張っていたんだろう?ボクタチは。
あんなにガンバッタのは、ガンバッテイタのは、無駄ダッタンダロウカ?


飢えや貧乏は、もう無いの?うしなう事は怖くないの?
ガンバルコトはイケナイことなの?
ガンバラナイことは良いことなの?



いま、みんながケイタイで、ネットでツナガッテいて、ホシイモノはナンデモ手に入る
遠い先のことはワカラナイけど、とりあえずアシタハ何とかやっていける、とりあえずアシタハやってくる

なんでそんなにガンバルの
なにをそんなにガンバッテイタの
なんで、そして、ガンバルノ、ヤメタの


Michael J. Fox answered to 10 questions....by TIME vol.173 No.16 2009
Q: How has your diagnosis affected your beliefs about life, death or spirituality?
A: It's a big wake-up call about mortality, obviously. I think that's a good thing for us to get out of the way - the earliest you can responsibly deal with the fact that this isn't a dress rea\hearsal. It's like a 75; 80-year ride if we're lucky, so let's make the most of it.